Poem

足りん

足りん 足りん もっと高く洗練 誠実という次元 もてはやされた苦言 嘘を付くのは相手思えば 嘘を付かぬは自分可愛さ たまに顔出す八方美人 気の向くままのオンパレード ダブルと言わないスタンダード 足りん 足りん 何が足りん 素直じゃ足りん タイムオーバ

嘔吐

変わらない自分 変わらない状況 イライラ 死んだ魚みたいな目 気取った口 イライラ 頭痛、吐き気、妄想 本が散乱した部屋 イライラ イライラにイライラ イライラ ぶべらぐひ

絡め

僕を縛り一つのイメージに固定し続けるものを探し辺りを見回しても顔のない群が無関心の香りを醸すだけで衛星周回から見た隣町に直線運動が輝きを増しながら僕の目を焼くからロックンロールが際限なくループして象徴としての甘い記憶が側溝に流れ出して公害…

仄暗い朝

遠くエコーした声が窓に張り付いた 砂漠の襞に埋もれた人形が笑いながら指差す 幼稚な太陽が騙し続けた過去を暴き 気取った三日月が息苦しい情熱をフリーズドライした 予感する人を容赦なく穴に突き落とし 冷たい視線を浴びせる群があり 貪欲に餌食を求めて…

別れ

白い花弁が人々の足下を舞い、疲れたものは隅で休んでいた。 桜の木は末の子を抱きながら、元気な子を眺めている。 今夜、子供たちはよく眠るだろう。 そしてきっと目覚めることはない。 桜の木も繰り返す運命に抵抗はしない。 子供を抱いた手は次の季節の準…

ミシン

乾き切った土壁の間を赤い道が通っている。 喧噪の世界にはその日暮らし人々が溢れていた。 直射日光を避けた路地裏にはミシンの音が響いていた。 裸足で踏むペダルが言葉に鳴らない悲鳴を上げたが、鈍く光る瞳を持つ少年は瞬きもしない。 彼が手を止めるこ…