読了

実は、正月三が日くらいにはもう読み終わっていた。
 

文体が独特で、読み進めるのが結構きつかった。
内容はミステリというよりも、ミステリの手法を使った奇譚というか。入れ小細工な構成は非常に興味深かった。この過剰に装飾された構成と物語の雰囲気がとてもマッチしていて、よく練られているなぁと感じた。
伝奇小説、ミステリ、精神病、無意識とかに興味のある人にはオススメ。
次も有名な「新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)」とか読んでみたいなぁ。
 

物語と各章に関する解説が交互に挟んであって、とてもわかりやすい。乗り気でなかった素人社長の主人公が破綻寸前の会社を建て直し、志ある会社に育てていこうとするストーリーには、意外と感動した。
経営知識としては、会計・管理会計との正しいつき合い方とTOC(制約条件の理論)が盛りこまれている。これ一冊で完全に理解することなんてできないが、俯瞰的な内容なので学ぶとっかかりとして良いと思う。
TOCと言えば、「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」が有名だ。私はこちらを読んだことがない*1ので間違っているかもしれないが、この「ザ・ゴール」をもっと要約したような本と言えるのかもしれない。
 

日進月歩のウェブ技術・ウェブサービスによってユーザである人、社会がどう変化しているかといったことについての対談。
作家の平野氏が考える、深く内面に迫った部分についてはあまり興味がわかなかったけど、梅田氏がそちらの話題についていって語る部分が結構面白い。また、サービスを作っている人達やコミュニティを構成する人達がどういう考え方をしているのかとか、技術者でない人がどういう心配をしているかとか、色々な発見があった。
関係者意外の人は関係者の感覚を、関係者には関係者意外の人の感覚を、何となく掴めそうな一冊。

*1:いつか読むつもり