砂の女

やばい。安部公房に嵌ってしまいそうだ。
同大学に通いながら夏目漱石を崇拝する文学青年に薦められた安部公房の「砂の女」。これがものすごく面白い。性表現が結構あるため若い子には薦められないが、この小説は凄い。
ストーリーも神話的で寓話的なのだが、なにより文章・文体が良い。特別難しい言葉ばかりを使うでもなしに、これほどまでに鮮やかな色彩を出せるのかという驚き。豊かな比喩、想像の転がり方は眩暈がしそうなほど凄い。(その点では、筒井康隆に似た印象があるかもしれない)
上に書いた飲み会から家に帰り、軽く寝たあとに本棚からこの本を手にとった。別に大した期待を持っていたわけではないのだが、グイグイ引きずりこまれてしまい、そのまま夕食も食べずに一気読みしてしまった。
ちょっと、また数冊買ってしまいそうだよ。安部公房

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

(俺が持っている本は新しいのか表紙は砂丘を飛ぶカラスで、上のよりもっとカッコいいんだけどなぁ)