朝生
毎度おなじみのTV朝日「朝まで生テレビ」を見た。今回のテーマは「格差社会」。自分に最も身近な話題であったので興味深かった。
いつもながら、人の意見を最後まで聞かない人たちや、突然話を切断する田原総一郎氏の司会っぷり、まともな意見を言えない政治家にはイライラしたけれど収穫もあった。
まず、人物では松原聡氏(東洋大学教授)と林信吾氏(作家)が鋭いことがわかった。すくなくとも思考がクリア。この二人をこれからチェックしたいと思う。
あと、議論から浮かんできたもの。
- 格差社会?
- 格差は個人の努力の結果として生まれるもので、セーフティネットさえあれば問題ない。しかし、その格差が世代を通じて伝播・固定化していくことが問題(希望格差社会)。教育問題をちゃんと考えろ(国公立をどう立て直すか、国がどう補助するか)。
- 格差社会を望む輩
- 朝日新聞と教育関連業者。庶民に危機感を募らせて、利益を得ようとしている。
- なぜ日本の若者は暴動を起こさないのか
- アメリカ、フランスでは暴動が起きている。しかし、日本では暴動が起きない。それは、日本の非正規雇用者の多くが親と同居(パラサイト)しているため、危機意識が足りないからである。
- 失業率上昇の原因は何か
- 一方は「デフレ」の影響が大半と言う、もう一方は「社会構造の変化(国際競争のための効率化、海外への業務委託、非正規雇用)」が根本的な原因だと言う。(おそらく両方だろうが、社会構造を無視し「デフレさえ脱却すれば」とかいうヤツは全く信用できない)
- 非正規雇用における問題
- 「正規社員との賃金格差」と「年金制度」。正規かどうかではなく、仕事の質と量による労働システムを導入することと、正規・非正規を同じ年金システムで取り扱うことが解決策。ただし、公務員や大企業の連合が大反対。(ちなみに、その連合が民主党の支持母体)もともと国民年金は自営業者のためのもので、非正規雇用者のためのシステムではない。
- 公務員の問題
- 民間のようにリストラができない。地方自治体とグルになって利権を守っているから雇用環境が民間よりダントツに良い。特殊法人にぶら下がっている奴らをどうするのか。
今の若者の多くは非常にサバサバしていると思う。諦めに似た感情か。責任問題や法律の問題を論議するパネリストを冷ややかに見つめ、「自分達はどんな環境の中でも好きなようにやるけど、アンタらそれでいいの?」みたいな。あまりの不安に感覚が麻痺している。不安になっても仕方がないと腹を決めている。
多くの人々が将来を想像することも恐くてできない一方、一部の人々は恐怖を忘れるために狂ったように上を目指す。どちらも悲惨であることに変わりはない。
- 作者: 林信吾
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/04/11
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