ウィルスと責任

何か最近やたらと「Winnyで情報流出」のニュースをよく見るんですが、そろそろ飽きてきませんか?(笑)
いや、まぁ、冗談はこれまでにして、・・・本当に大変ですね。情報漏洩をやらかした管理者にはなんの同情も感じませんが、(警察なんかの)情報を漏らされた個人の方々には深く同情します。
んで、情報漏洩をやらかした管理者は当然責任ありますよね。まぁ、異論はないと思う。警察官が犯人逮捕できなかったら、みんなその警官を責めるでしょう。「いや、そもそも犯人が犯罪をしたことが悪いわけで・・・」なんて通じない。
「アンチウィルスソフトを入れていたから・・・」とか言っても責任は責任ですよね。(もちろん、アンチウィルスソフトも入れていないなんて論外だけど)大体、「アンチウィルスソフトを入れておけばもう安全!」みたいなアンチウィルスソフト業者の宣伝・それを信じてしまう安易さも良くない。「セキュリティとは、ソリューションやパッケージソフトではなくプロセス」って言葉を最近どこかで読んだけど、この言葉が理解できない人は「これならわかる不正アクセス対策 入門の入門」(良書です)を読んで、セキュリティマインドを一から叩き込んだ方がいいと思う。(偉そうに言っていますが、私もその途中ですw)
 
そう言えば、最近どうもWinnyを作った金子さん(だっけ?)も悪いというような風潮になってない?正直、「はぁ?」ですね。(ちなみに、Winny作者さんは別件*1で問題になってます)
・・・何か話が逸れていってしまうなぁ。
このWinnyに寄生するコンピュータウィルスが直接的な原因なわけですよね。「暴露ウィルス」って名前はセンスがないですけど、それは置いといて。そんで、「そのウィルスを作ったヤツが責任取れ!!警察はそいつを捕まえろ!!」ってな風潮かな?何か政治家やお偉いさんのマイナーな議論にそんな感覚を受けます。
まぁ、間違ってはないんだけど、少しずれているように感じる。つまり、「コンピュータウィルスと呼ばれるようなプログラムを作ること」自体が犯罪であるかのように言われていることって拙くないかい?
コンピュータウィルスを作ること」と、「それを配布すること」を分けて話ししませんか?*2
ノーベルさんがダイナマイトを作ったことと、それが戦争や犯罪に使われることは分けて考えられるでしょ?アメリカの科学者たちが核爆弾を作ったことと、それが第二次世界大戦で日本に落とされたことは分けて考えられるでしょ?(いや、分けて考えて欲しい。冷静に)
ただ、コンピュータウィルスの場合、作者と配布者が同一人物であることが多いってだけ。このことを理解して欲しいと思う今日この頃。
あぁ、この話を続けると最後には「科学と倫理」みたいな話になるんだよなぁ・・・
 
ちなみに、コンピュータプログラミングをやったことがない人にはわかりづらいかも知れませんが、(超)簡単なコンピュータウィルスなら誰でも1日ほど学べば作れます。たぶん。
今度、コンピュータウィルスに関する法律ができるそうです(本当に)。もしかしたら将来、無限ループ・無限再帰のプログラムを書いただけで捕まってしまうかもしれませんね。(オーバーに言ってみましたw)
[ 関連: 高木浩光@自宅の日記 - 「不正指令電磁的記録に関する罪」に「作成罪」はいらないのではないか ]
(この方のブログにリンクを張るなんて恐れ多いなぁ・・・w)
 
追記:
高木さんのブログを読んでいると、私の理解が足りないことがわかりました。
作ったプログラムがコンピュータウィルスになりえると作者が認識した時点で、そのプログラムを削除する義務が生まれるような気がします。
・・・じゃあ、認識していなかったら良いのか?認識していなかった場合も罪になるのか?・・・どうなんだろう?

*1:著作権法違反の幇助(ほうじょ)容疑

*2:大体、「コンピュータウィルス」の定義自体も曖昧だと思うんだが。ウィルスとバグの違いは「悪意」の有無ですか?