経済学をめぐる巨匠たち
とても面白い「経済学をめぐる巨匠たち (Kei BOOKS)」という本の読書メモ
※以下の引用はすべて「経済学をめぐる巨匠たち (Kei BOOKS)」から。
まえがき
経済学の扱う対象は唯一つ「近代資本主義」だけである。
経済学に興味を持っていながら、この言葉に「えっ、そうなの?」と思った。
この後、「まえがき」では経済学の特殊性や面白さについて書かれている。なんでも、”極端に”言うと経済学は「古典派」と「ケインズ派」の2つの派閥に分かれるらしい。
第1章:経済学を生んだ思想
第3章:最高の理論家が発見した国際経済学の原理
デビット・リカードの話とか。
著者がMITのサミュエルソン博士の教科書を絶賛している。(書評からも良い本のようだ)
(古い版なら図書館にあるかもしれないな)
- セイの法則:市場に供給されたモノは必ず売れる(デマンド・オン・サプライ)
ケインズより前に書かれた経済学のテキストは失業について何も論じていないのである。
ケインズ以前の方々は、「不景気は放って置けば直るよ!」って言い張っていたらしい。
第5章:マクロ経済学の誕生
ジョン・メイナード・ケインズの話とか。
- セイの法則を前提とする古典派にとって「供給過剰」は起こりえない、よって深刻な失業も起こらないはずだった(でも、大恐慌は起こった)
- ケインズの基本的考え:需要こそが供給を作り出す(サプライ・オン・デマンド)
- ケインズの「有効需要の原理」=国民総生産は国民総需要(有効需要)に等しくなる(つまり、不景気のときには、無理にでも需要を作ればいい→公共事業)
- ケインズ理論の弱みは「インフレ」 ← 古典派の反撃:クラウディング・アウト(締め出し)
第6章:驚嘆すべきは資本主義
カール・マルクスの話とか。
- 「疎外」という概念 = 社会現象には法則性があり、人間はそれを操作も支配もできないということ
資本主義には必ず失業が出る、と指摘していたのはマルクスだけである。
あと、社会的な面では、
- ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日/経済学批判要綱「序説」「資本制生産に先行する諸形態」/経済学批判「序言」/資本論第一巻初版第一章 (マルクス・コレクション)(マルクスが、ナポレオン帝政を分析した論文)
この論文の有名な一節が↓らしい。確かに聞いたことがあるような・・・。
「世界の大事件と大人物は二度現れる。一回目は悲劇として、二回目は茶番として」
疲れた
この後に、マックス・ヴェーバーやシュンペーター、ワルラス、サミュエルソン、森嶋通夫と凄いメンバーなのだけれど、・・・この辺にしておきます。ふぃ〜。